~現場回想記~I 邸(30代子育て中のご夫婦)   #1   間取り   

打ち合わせ用の間取り図で周囲の景色も確認
打ち合わせ用の間取り図

正月明けから、新しいお施主さんの設計に入りました。まずはお施主の要望通りに間取り図を作ってみる、間取りのパズル。要望の間取りが敷地に納まることは契約前の調査から分かっている。周囲の建物との位置関係や景色の見え方も確認する。
さて、ここからが重要で、近隣との関係も考えながら、どうやって施主の実生活引き出し、間取りに落とし込んで行くかだ。間取りは生活そのものを規定してしまう設計の中でもっとも重要な作業で、数ヶ月間かける。(ことが多い・・)ほとんどの施主の要望は、部屋数と設備に集中する。2階に子供室2つと寝室、1階にLDKと客間にする和室と水まわり・・。お決まりのパターンが施主の頭には刷り込まれている。この間取りが悪いとは言わないが、何故刷り込まれているか、本当に自分達もそれでいいのか、くらいは考えてみる必要があるだろう。そこで私は提案を始める。家づくりを機にもう一度、家族の生活や子供の教育、ご夫婦のあり方についてみつめ直してみませんか?と。施主のためになる本を読んでもらおうと貸し出したりもする。施主の家です。私が住むわけではありません。施主が決めるべきです。私たちに良い仕事をさせ、ご自身も満足されるのは、間違いなく自分の頭で考える方だと思います。 

                    

掲載日 2006/01/26