今日も打ち合わせがありました。
思ったよりも間取りに関する意見がお施主さんから沢山出てきました。最初のプランをかなり検討されたようです。
早い段階から設計の手がかりが沢山出て来るのはありがたいことです。プランを修正して2週間後に再度打ち合わせをすることになりました。
徐々に的が絞れてくるとプランにも力が入ります。同時にお施主さんのほうは周囲の人達に相談し、意見を求めたりします。これは当然の事ですが、この周囲の人々の大部分は、先日書いた平均的住宅像を持っているから要注意です。せっかくのお施主さんの個性は次第に平均的なものになってゆきます。建売住宅やマンションの世界では、同じ面積でも部屋数が多いほうが売れるそうで、3LDKより4LDK、4より5・・。
目的別に部屋を区切るという事は、プライバシーは確保できますが空間の質を低下させます。細かな部屋が廊下に接続するという、旅館のような間取りを作ってプライバシーを確保する事が、家族の間にどこまで必要か(特に子供は)一度立ち止まって、考えてみたいところです。西欧の生活理念にある「プライバシー」が権利の主張なら、古来から日本の生活理念にある「遠慮」は、他人への思いやりや心づかいを育む。これは疑いようのない事実でしょう。
省エネという観点からは、少しの弊害はあるにせよ、家の中でのふれあいや心づかいから、隣近所へのそれにもつながっていく気がします。プライバシーという言葉に適当な日本語訳はないそうです。ご参考まで。
参考図書:
「日曜日の住居学:宮脇壇著」
「暮らしから描く快適間取りの造り方:吉田桂二著」
掲載日:2006.02.10