コンストラクション・マネジメントとは、コンストラクション・マネージャー(CMr)が、技術的な中立性を保ちつつ、発注者の側に立って設計・発注・施工の各段階において、設計の検討や工事発注方式の検討、工程管理、品質管理、コスト管理などの各種マネジメント業務の全部または一部を行うもの。
(国土交通省:CM方式活用ガイドラインより)
もう少し分かりやすくすると...。
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CM方式とは、CMr(コンストラクション・マネージャー)が、設計開始前から工事竣工まで、建築主に寄り添って、一緒に考える、建築の新しい発注方法です。
~こんな人に向いてます~
・大量生産される家ではなく、自分だけの特別な家を実現したい!
・古民家再生や変形敷地など難易度の高い案件である!
・建築主が設計や工事に積極的に参加したい!
・自分の建築資金がどのように使われるのか、見えるようにしたい!
・無駄なコストをかけたくない!
・中立的なCMrの意見も聞いて、一緒に考えて建てたい。
※CM方式は必ずしも分離発注のことではありませんが、戸建て住宅等の小規模な建築では、メリットを出すためには分離発注型CM方式が現実的と思われますので、私共では分離発注型CM方式を採用しています。
分離発注型CM方式に取り組む建築士事務所の集団イエヒトの会員です。
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工事をハウスメーカーや工務店に一括発注するのではなく、発注者と設計者(CMr)がパートナーになって、各専門工事業者に工事を発注します。建材は建材商社や建材屋さんから直接買います。
工事が始まると設計者(CMr)は工事監理を行います。 設計者(CMr)は施工者ではないので、立場上は現場監督ではありませんが、発注者に代わって現場監督の役割も担います。 |
分離発注方式自体は、施主直営方式ともいわれ、日本でも古くから行われてきました。それにCMが加わった点が新しい部分です。 |
●主なメリット ・工事コストが透明になり、中間マージンがカットされる。発注者の要望を実現しやすい。 ・充実した設計と積算に基づいたコストコントロールが可能。 ・専門工事業者と直接の関係が築ける。 |
・専門工事業者は不当な値引きを強いられることもなく、適正な対価で仕事ができる。 |
・設計者も専門工事業者も本来の能力を発揮できる。 |
●主なデメリット ・専門工事業者15~20社と契約するので、契約書が沢山あって面倒。 |
・工事費の支払いは、出来高に応じて毎月各業者に振込みで支払うので、工事の終盤は振込み作業が大変(10件くらいある)。 |
・担当設計者(CMr)の技量に左右されやすい。特にマネジメント業務は経験が必要。 |
・発注者が建築業界の方なら話が早いですが、複雑な建築業界を「見える化」するので、説明が長くなる。工事の終盤になってから、「やっとわかった!」と言われたこともあります。 |
・設計がCMrを兼務するので、発注者は明朗会計の工務店に設計施工で発注したように誤解しがち。後に問題が生じることがある。 |
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上記①と同様に工事をハウスメーカーや工務店に一括発注するのではなく、発注者とCMrがパートナーになって、各専門工事業者に工事を発注します。建材は建材商社や建材屋さんから直接買います。 工事が始まるとCMr(建築士)は工事監理を行います。 CMrは施工者ではないので、立場上は現場監督ではありませんが、発注者に代わって現場監督の役割も担います。 |
●主なメリット |
上記①に加えて、設計者とCMrが独立している点が特徴です。本来のCM方式と言えます。 |
発注者は設計者を自由に選ぶことができます。 また、CMrの中立性は確保しやすい体制です。 |
●主なデメリット |
上記①の兼務の問題以外はだいたい同じ。設計者とCMrが独立しているため、両者の伝達に少し時間が必要です。 |
※現在のところ、上記①②の業務は戸建て住宅規模に限らせて頂いております。
③一括方式(設計が独立している場合)
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工事をハウスメーカーや工務店に一括で依頼する方式です。左の概念図では設計者が独立していますが、
設計と工事を一括で依頼する場合もあります。
戦後の住宅難の時期に一気に広まった方式です。 |
●主なメリット |
・契約関係が単純で分かりやすい。 |
・手っ取り早い。 |
●主なデメリット |
・多重下請け構造で内容が不透明。 |
・発注者が用意する建築予算の半分程度がTVやモデルルーム等の広告宣伝費に使われる。 |
・標準仕様から外れる部分は、オプション費用がかかって高額になる等、イレギュラーな対応には不向き。 |
分離発注型CM方式での建築事例はギャラリーを見て下さい。
CM方式について、さらに詳しく知りたい方はこちら。
(日本コンストラクション・マネジメント協会)